メディアの変化に伴う印刷業会の役割

印刷製品は地産地消的性質が強いとされていて、他の産業のように積極的な外需開拓や海外進出はされていません。印刷業の海外売上高比率は多国籍展開する大企業でも10%台であり、製造業平均約30%の半分以下となっています。
しかし、海外では日本の漫画やアニメ、文芸作品、ファッション雑誌などが非常に人気となっています。印刷メディアに限らず、日本のコンテンツは「クールジャパン」として高く評価されていて、海外展開を通じた成長を見込める有望な産業であるといえます。
デジタルコンテンツ協会「デジタルコンテンツ白書」によると、2009年のコンテンツ産業の市場規模は12兆843億円で、アメリカに次いで世界第2位(世界全体で130兆円)で、2020年には20兆円に達する見通しとなっています。ところが、コンテンツ産業の輸出比率はアメリカの17.8%に対して、日本は5%という低い数値になっています。その内訳は家庭用ゲームソフトが97%以上で、海外からの高い評価をビジネスに転換できていません。
そこで、経済産業省は文化産業立国に向けてクール・ジャパン戦略を打ち出しました。文化産業を21世紀の日本のリーディング産業として自動車・エレクトロニクスと並ぶ日本経済の柱に据えようという構想です。また、経済産業省のクール・ジャパン室は「クリエイティブ・ハブ構想」を掲げています。東京を世界のクリエイティブ・ハブとして、コンテンツやデザイン、ファッションの世界への発信拠点に位置づけているほか、国内各地にクリエイティブ・ハブを整備していきます。
全国各地に創造的な活動と産業を興して世界に発信している例もあります。生産者と商店街、消費者を結びつける魅力的な空間づくり、新たなライフスタイル、そして地域の産業や魅力を創りだす取り組みがなされ、そこに印刷会社も関わっています。
成熟した社会・経済・国際社会における新興国の台頭、地域コミュニケーションの希薄化、脱原発の流れ、そしてメディアの多様化などを背景に、日本の経済成長を印刷生産で支えた印刷産業の役割は大きく変わりつつあります。


